市営住宅では、「入居時から網戸がない」「破れた網は誰が直すのか」「網戸が外れる」「閉めているのに虫が入る」といった相談がよくあります。
網戸の設置・網の張り替え・戸車など網戸本体の修理は入居者負担となる自治体が多い一方、建物側のサッシやレールの破損は市・管理者の修繕になる場合があります。ただし、修繕区分は自治体、団地、入居時の設備状況で異なります。購入や工事の前に管理窓口へ確認してください。
この記事では、網戸が最初からない理由から設置、費用、破れ、張り替え、枠交換、戸車・レール、外れ止め、虫対策、退去時までを一つの流れで解説します。
まず確認|網戸の修繕区分はどこまで自己負担?
| 症状・作業 | 一般的な目安 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 網戸の新規設置 | 入居者負担が多い | 設置可否、指定業者、原状回復 |
| 網の張り替え | 入居者負担が多い | 経年劣化か、入居者による破損か |
| 戸車・外れ止め | 入居者負担の場合がある | 網戸本体の部品か、建物設備か |
| 網戸枠の交換 | 自治体・原因による | 既存設備か、入居者が設置した物か |
| サッシ・建物側レール | 市・管理者対応の場合がある | 変形、腐食、建物側の破損 |
これは一般的な目安です。入居時の設備一覧、入居者のしおり、修繕負担区分表を確認し、不明なら管理窓口へ問い合わせます。
市営住宅に網戸が最初からない理由
市営住宅では網戸が標準設備ではなく、入居者が必要に応じて設置する扱いのことがあります。前の入居者が自費で付けた網戸を退去時に撤去した、古い住宅で網戸用レールがない、住戸ごとに整備状況が異なる、といった事情もあります。
網戸がないからといって取り付け忘れとは限りません。前の入居者が残した網戸も、市の設備ではなく残置物として扱われる場合があります。
取り付け前に管理窓口へ確認すること
- その住戸で取り付けが認められているか
- 網戸やレールが市の設備か、入居者設置物か
- 模様替え申請や事前承認が必要か
- ビス留め、穴あけ、レール追加が可能か
- 指定業者や指定寸法があるか
- 費用負担と退去時の撤去・原状回復
窓枠への穴あけやレール追加は建物を変更する行為です。自己判断で工事を始めると原状回復費用が発生することがあるため、申請書や回答内容も保管しておきます。
設置方法と費用の考え方
既存レールに合う完成品を取り付ける方法、採寸してオーダーする方法、レールから施工する方法があります。費用は窓の大きさ、枠の種類、戸車、施工条件で変わります。現地採寸、作業費、出張費、既存網戸の処分費、保証範囲を確認してください。
採寸では幅・高さだけでなく、レール形状、戸車、外れ止め、窓ハンドルとの干渉も確認します。古い市営住宅では汎用品が合わないことがあるため、無理に取り付けないでください。
網戸が破れたとき|張り替えか枠交換か
破れの原因は経年劣化、接触、強風、物の衝突、押さえゴムの劣化などです。まず網だけの破れか、枠・戸車・外れ止め・レールまで傷んでいるかを切り分けます。
網だけが破れている場合
枠が四角く保たれ、開閉が正常なら網と押さえゴムの張り替えで対応できる可能性があります。小さな穴は補修シールで一時対応できますが、広い破れや全体の劣化は張り替えが確実です。
枠交換を検討する場合
- 枠が曲がり、窓との間に隙間がある
- 角の接合部が外れている
- 戸車が廃番で交換できない
- 腐食や破損が大きい
- 張り替えても開閉・密閉が改善しない
枠の変形を力で戻すとガラスやサッシを傷めます。建物側レールの変形が疑われる場合は、市・管理者へ先に相談してください。
自分で網を張り替える手順と注意点
- 網戸を安全に外せる場所を確保する
- 古い押さえゴムと網を外し、溝を清掃する
- 網と押さえゴムの太さを確認する
- 網を大きめに置き、ローラーでゴムを押し込む
- たるみと枠のゆがみを確認し、余分な網を切る
- 網戸を戻し、外れ止めと開閉状態を確認する
高層階、転落のおそれがある窓、大型網戸、変形した枠は自分で外さないでください。実務上、張り替えよりも取り外し時の落下や、ゴム径違いによるやり直しが問題になりやすい箇所です。
業者には窓の枚数と寸法、網の種類、持ち帰りか現地作業か、追加料金の条件を伝えると見積もりが早くなります。
網戸が重い・外れるときの確認順序
1. レールを清掃する
砂、ホコリ、小石が戸車にかむと動きが重くなります。掃除機やブラシで取り除き、固く絞った布で拭きます。
2. 戸車を確認する
車輪の摩耗、回転不良、軸の劣化があると、引っ掛かり、ガタつき、脱輪が起きます。調整方式は製品ごとに異なり、部品が廃番なら枠交換が必要なこともあります。
3. 外れ止めを確認する
網戸上部の外れ止めは落下防止部品です。位置がずれると開閉不良や脱落が起きます。構造を理解せず緩めると危険なため、不明な場合は触らず相談します。
4. 枠・レール・サッシの変形を確認する
何度はめ直しても外れる、建物側レールが曲がっている、サッシにも不具合がある場合は建物側の原因が考えられます。全体写真と不具合箇所の写真を撮って管理窓口へ伝えます。
網戸を閉めても虫が入る原因と対策
- 網や押さえゴムに穴・浮きがある
- 枠とサッシの間に隙間がある
- 戸車の高さがずれ、網戸が傾いている
- 窓と網戸の開け方が合っていない
- 網目が虫の大きさに対して粗い
- 換気口、配管、排水口など別の侵入口がある
窓と網戸の位置を確認する
引き違い窓は、開け方によって窓と網戸の間に隙間が生じることがあります。窓を少し開けた状態で、室内側からサッシと網戸が重なる部分に隙間がないか確認してください。窓の構造は製品によって異なるため、「右側なら必ず安全」などと決めつけず、実際の重なり方を見ます。
網・モヘア・枠の状態を確認する
小さな穴、押さえゴムの浮き、モヘア(すき間を埋める毛状部品)の摩耗、枠の傾きが侵入口になります。明るい時間に室内側から網全体を見ると、小さな破れや隙間を見つけやすくなります。小さな穴は補修材で一時対応できますが、複数の破れや大きなたるみは張り替えを検討します。
網目と通風のバランスを考える
細かい網目は小さな虫を通しにくくしますが、通風量や見え方も変わります。既存枠に取り付けられる網の種類、押さえゴムの太さ、管理上の制限を確認してから選んでください。
網戸以外の侵入口と虫を寄せる原因を確認する
玄関の開閉、換気口、エアコン配管まわり、排水口も侵入経路になります。夜間の室内光、生ごみ、排水口の汚れなどで虫が寄りやすくなることもあるため、カーテンを閉める、食品やごみを密閉する、排水口を清掃するといった対策も組み合わせます。
薬剤や虫よけ用品を使う場合は、対象害虫、使用場所、換気方法を表示で確認し、子ども・ペット・近隣住戸への影響にも配慮してください。
市・管理者へ相談した方がよいケース
- 入居時から網戸やレールが破損していた
- サッシや建物側レールが変形・腐食している
- 網戸が落下しそう、高層階で安全に外せない
- 強風や建物の不具合で破損した可能性がある
- 設置可否、修繕区分、原状回復が分からない
団地名・住戸番号、不具合がある窓、発生時期、危険性、網戸・枠・レールの写真、入居時からの設備かを伝えると状況を共有しやすくなります。
退去時の網戸と原状回復
入居者が設置した網戸は退去時に撤去を求められる場合があります。管理者の承認を得て設置した物などは扱いが異なるため、残してよいか自己判断せず退去検査前に確認します。設置前の写真、承認書、領収書、施工内容を保管しておきましょう。
よくある質問
網戸がないのは市の取り付け忘れですか?
標準設備ではない住宅もあるため、取り付け忘れとは限りません。
前の入居者が残した網戸は使えますか?
使用できても残置物扱いの場合があります。修理費と退去時の扱いを確認してください。
網戸が少し外れただけなら自分で戻せますか?
安全に作業できる単純な脱輪なら戻せることもあります。繰り返し外れる、高層階、外れ止めが不明な場合は作業しないでください。
網だけ破れた場合も市へ連絡が必要ですか?
自己負担の自治体も多い一方、区分は異なります。費用が発生する前の確認が確実です。
まとめ
市営住宅の網戸は、網戸本体と建物側設備を分けて考えることが重要です。購入・工事・撤去を先に進めず、設置可否、費用負担、申請、退去時の原状回復を管理窓口へ確認してください。危険な作業や原因不明の不具合は、写真を添えて相談しましょう。


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